レンタルバイクのメリットとデメリットについて

レンタルバイクのメリット①自宅から目的地までの利便性

現在の日本では公共の交通機関が網羅されており、電車やバスを使えば、余程の人里離れた僻地に行く事がないかぎり、それほど労をせずに目的地に到着することが可能です。

しかしながら、出発する駅やバス停が自宅の近くにあれば便利ですが、自宅から離れていれば、先ず徒歩で向かわなければなりません。目的地も駅やバス停から離れていれば、また徒歩で移動する事となるでしょう。

「塵も積もればマウンテン」という?ことわざがございますが、徒歩での移動時間、電車やバスなどは時刻表に則った運行しかされておらず、次の車両が来るまでの待ち時間や乗り遅れてしまうと更に次の車両が来るまでの待ち時間がかかります。そういった待ち時間も積もればかなりの時間が経っていくものです。

唯一、1日24時間だけが、万人に平等に与えられております。短い人生の中で、貴重な時間を無駄にしないように、出発地点から目的地にダイレクトに行ける、レンタルバイクも一考かと存じます。

車も一つの移動手段としてありますが、駐車場が近くになく、目的地から離れていたり、人気の観光地で日曜日や祝日は満車で駐車場に停められず、待ち時間も考慮しなければなりません。

その点バイクなら、出発地点から目的地までを一直線に結ぶことができ、自宅玄関からバイクに乗り、目的地の駐輪場までほとんど歩かずに到着できます。

いわゆる「ドアtoドア」で、ドラえもんの「どこでもドア」ほど便利では御座いませんが、かなりの時間が節約でき、短縮した時間で美味しい食事やスイーツに舌鼓を打ち、素晴らしい景色や風景を楽しめる事となるでしょう。

レンタルバイクのメリット②購入費や維持費、税金が掛からない。乗りたい時だけ借りる。

自身で目的地まで自由に乗れるバイクを購入するには、現金または、クレジットカード、ローン等で購入するので、どうしてもまとまったお金が必要になります。自転車であれば、購入費用だけですぐに乗れますが、バイクの場合はそうはいきません。

バイク本体のみの価格「車両本体価格」に、実際にバイクを動かす為に必要な、バッテリーやミラー等をセットして整備する「納車整備費用」、ナンバープレートを付ける為に自治体や陸運支局で登録する「登録代行手数料」、バイクや車を登録する時、交通弱者を保護する為に強制的に加入しなければならない「自賠責保険料」、自賠責保険だけでは高額な事故の時の支払いができないので、補助として入る「任意保険料」以上、大まかに計算した合計価格が、バイクを乗り出すのに必要な出費になります。

好きなおかずを選んで食べる、セルフの何とか食堂では、予算が700円くらいのつもりが、あれもこれも食べたくなり、いざ会計で1000円を超える事も珍しくありません。少々こじつけに近い例えですが、車両本体価格以外に諸費用を積み足していくと結構な金額になります。さらにバイクは数千の部品が組み合わさった機械なので、人間の体と決定的に違うのは、使えば使うほど部品が消耗して交換しなければならない箇所が出てくる事です。

すべての部品が調和してバランスを保ちながらバイクが走るわけで、一つの悪い部品を交換せずに使用していると、他の部品にまで負担が掛かり、修理費用がかさむ結果となります。走ればタイヤやオイル、ブレーキパッド等の消耗品の定期的な交換が必要になり、いわゆるランニングコストが必然的に掛かってきます。

走らずにしばらく放置した場合にも、バッテリーが弱ってダメになったり、走る為に生れてきたバイクを走らせないでいると、バイクのダメージが思ったより大きく、いざ乗るときになると予想外な箇所を整備しなければならない事例を数多く経験してきました。人間の体も然りで、たとえ1週間でも入院して動かずにベッドに横たわっていれば、退院したときに思うように体が動かない経験をされた方も少なくないでしょう。

バイクを所有するには、様々なお金が必要になり機械ですから予想外の故障に対しても修理代が必要になってきます。野も山も美しい若葉におおわれ人々が心躍るゴールデンウイークの前後に軽自動車税の請求書が届いて、テンションが少し下がる方もめずらしくありません。

このようにバイクを所有すると、実際に乗る乗らないにかかわらず維持費が必要になります。レンタルバイクなら、バイクの乗り出し費用や維持費や保険料、税金が不要で冬の厳しい寒さや夏の焼け付くような日差しを避け、最小限の出費で必要な時に必要なだけ乗る事ができ、バイクライフを満喫できる事が可能になるでしょう。

レンタルバイクのメリット③新車を購入する際の判断材料や色々なバイクに乗ることができる

以前、ほんの僅かな走行しかしていないバイクの買取のご依頼を頂きましたお客様になぜバイクを手放すのか理由を尋ねたところ「買ってはみたものの運転が怖くなって乗らなくなった」、「通勤場所が変わりバイクが必要なくなった」、「ポジションがどうしても合わないので乗り換える」等、バイクを手放すには、様々な理由がある事がわかりました。

男性が女性に恋する時の心理は、殆どが見た目を重視する一直線のベクトル思考に対し、女性が男性に恋する時は、「清潔感、雰囲気、さりげない仕草、ファッション、髪型、スタイル」、等あらゆる角度から、男性を判断するという心理結果があります。バイクも見た目で気に入っていざ購入したものの、実際に乗ってみるとフィーリングが合わない、とお嘆きの男性のお客様のご意見を数多く聞いてきました。

レンタルバイクなら、欲しくなった新車や中古車と同じバイクを借りて、あらゆるシチュエーションを想定して実際に乗ってみる事が可能です。デザインも乗ったフィーリングも最高で、納得して購入される方や、デザインは気にいってたけど乗ったらイメージと違って、購入に至らなかった方も多く、試乗もせずに多大な出費をして買った後に「こんなはずではなかった」と後悔する事もなくなるかと存じます。

バイクは各メーカーから、用途や嗜好に合わせて事細かい車種と、カラーリングの設定がございます。例えば職場のツーリングクラブに誘われたのはいいですが、自身は1000㏄のスーパースポーツ車に乗っているのに、250㏄が中心のグループではパワーを持て余し、欲求不満なることが目に見えております。極端な例ですが、自身がハーレーに乗って、オフロードの林道を走るグループツーリングに参加する事は、ほぼ皆無でしょう。レンタルバイクなら、それぞれの趣味、思考、用途にあわせて気軽にバイクを乗り換える事が可能になります。

レンタルバイクのメリット④人間関係が壊れない

友人や知人、職場の同僚などにバイクを借りると、様々な困難が予想されます。例えば、バイクを手足のように扱うライディングスキルの高い教習所の教官ならば、個々のバイクの特性や癖を掴み、スムーズの乗りこなす事が可能かと思います。

しかしながら、経験の少ない一般のライダーが他人のバイクをすぐに乗りこなせるのは至難の技かと思います。友人や知人に借りたバイクで立ちゴケや事故を起こしたり、たまたま機械的な故障が発生すれば、弁償や修理の責任問題でわだかまりができ、人間関係がギクシャクする事は当然の理でしょう。

四輪ならば、1日だけ掛けれる任意保険がありますが、バイクは事故率が高いせいなのか、バイクの1日保険は今のところ各損害保険会社に設定がありません。万が一、事故を起こし所有者側の任意保険を利用すれば、等級が下がり翌年の保険料金が上がるので、その差額分の請求にも、仲の良い友人なら、なおさら切り出し難い問題ではないでしょうか。

またバイクを借りて幸いにも無事故で所有者に戻しても、旅先のお土産を渡したり、ガソリンを満タンにして返すのが義であり、それなりのお金の掛かってきます。他人のバイクを事故や傷を付けないように気を使い、ヒヤヒヤしながら乗って肝心のバイクを操る楽しみが半減したり、返したときにお土産を渡しても、お互いに気を使う事が予想されます。

私事で恐縮ですが、小学生の頃、友人のおもちゃを借りて壊してしまい、弁償に対してお互いの親と本人で話し合いをした苦い経験があります。そこでレンタルバイクなら、万が一事故を起こしても保険で賄えるので、保険等級を気にする事がなく、旅先であれこれお土産を迷うことなく、人間関係が壊れることなく、心置きなくバイクライフを楽しめる事となるでしょう。

レンタルバイクのデメリット①毎日通勤や趣味に使うなら購入したほうがコスト面で得

この地球や宇宙は、陰陽の絶妙なバランスを保ちながら成り立っているのであり、月と太陽、光と影、男性と女性等、例えればキリがありません。レンタルバイクも然りで、メリットばかりを上げてみたものの、当然のごとくデメリットもあるわけでございます。

レンタルバイクのデメリットで多い例は、バイクを通勤で毎日使う方に当てはまります。車輛本体価格や諸費用、維持管理費、保険料や税金、全てのコスト計算してもレンタルバイクの料金のほうが、1日あたりの料金が高くなります。通勤、通学、仕事等で毎日バイクを使用される方は、購入して乗りつぶすほうが絶対にコスト面で有利になるでしょう。

またバイクを購入する方の趣味も多様で、他にないオリジナルの改造を施し、原型のバイクが分からないほどカスタムされる事を趣味にされる方や、走るためのバイクをあまり乗らずに、洗車をするのにホイールやマフラーまで外して、一点の曇がないほどにピカピカに洗車し、床の間に飾れるくらいの状態にまで、仕上げるのを至福の楽しみにされる方は、バイクをレンタルしても意味がなく購入して自己所有されたほうが良いでしょう。

レンタルバイクのデメリット②お店の営業時間に合わせて借りたり返却しなければいけない

朝早くからツーリングに行く予定で、お店の営業開始時間が10時であれば、当然のごとく間に合わないわけで、前日から借りる必要があります。トラブルや渋滞に巻き込まれて、閉店時間までに返却できなければ、延長の追加料金が店により発生する場合がございます。

またレンタルバイクを借りるのに、お店までバイク以外の交通手段が必要になります。地方でなければ駐車場を設置している店は少なく、電車やバス、徒歩を駆使してお店まで行かなければなりません。車で誰かにお店まで送ってくださる方は良いでしょうが、なかなかそうはいかないのが現状ではないでしょうか。

ゴールデンウイークや盆休み、秋の連休などは人気のバイクに予約が集中するので、早めの予約が必要になります。せっかくグループでツーリングの企画を立てたのに、予約が埋まってバイクを借りれないとなると、どうしようも出来ません。

ガソリンも満タン返却しなければならず、お店の近くにガソリンスタンドがなかったり、日曜日が定休日なスタンドなら、事前に返却するまでにリサーチしておかなければなりません。

レンタルバイクのデメリット③慣れないバイクを乗るため事故率が上がる

経験豊富なライダーなら、あらゆるバイクを乗っても、すぐにそのバイクの特長や癖を掴み、自在に乗りこなす事が可能です。しかしながら、ほとんどのライダーは初めて乗るバイクに戸惑いを感じる事が予想されます。

過去にスポーツ車やネイキッドしか乗ったことがないライダーが、アメリカンを借りて、ワインディング中心のツーリングに参加すれば、アメリカン独得のコーナリング特性に不安を感じ、かなりの違和感を感じる事となるでしょう。

街中での走行に気を付けたいのが、雨の日に路面が濡れている時の交差点や、マンホールや白線が思った以上に滑ることです。普段はビックバイクばかり乗っている人が、原付を乗って同じようにコーナリングすると、思った以上にタイヤが滑り、冷や汗をかいた経験があるのではないでしょうか。レンタルバイクを借りた時には、いつも以上の安全運転を心掛けたいものですね。